細い光が部屋に落ちてきて目が覚めた。ベッドの上には私の部品という部品が散らばっている。指、そこからこぼれ落ちた指輪、耳につけていた石、足の爪。それらをひとつひとつ拾い集めないと、きょうの朝は始まらない。 昨晩なにがあったのか、わたしの頭は覚…
風が前髪を撫でる。私はふたりを背後に感じながら、ぼんやりと外を眺めていた。振り返ろうかと思ったその瞬間、大きな物音を立てて鳥が窓硝子にぶつかって、ベランダに落ちた。そのとき私の脳裏に浮かんだのは、ショートケーキを手で掴み、床に落とす自分の…
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