2018-01-01から1年間の記事一覧
あれはまだ、わたしが今と違う名前を持っていたときで、きみが液晶に触れる指すら持っていなかった夜だった。朝になるのが怖かった。少しずつズラした世界の話を、100円もしない、やたら音のするシャープペンシルで、これまた108円で手に入れた、がさがさし…
湿った海苔の歯ざわりで、私はいつも思い出す。痛い、という感覚もまだ十分にはわからなかった頃のことだ。ただ瞳を覆う液体の熱さだけが、状況の悪化を教えていた。私は学校に通う歳ではなかったし、彼女は学校なんて遠い記憶であるかのようだった。 売店で…
一瞬ピントが合わなくなってから、フェンスの向こう側の雲がはっきりしはじめる。馬鹿みたいな快晴。あの雲さえなければ、ときっとみんなが思っている。潔癖だ。わたしは、緑色のかたい網目を指で弾いてから、きみの次の弾丸を躱す準備をする。まずは息を吸…
いい加減妄想に飽きた!人生そのもので遊びたいと思った。それはあまりにもリスクが高く、破滅の道でしかないわけですが! 妄想で傷つく、回想で鬱になる、のは自分の良くない癖のひとつだと思っています。でもみんなそうでしょう、自傷で多傷に備えているわ…
短いスカートは高校時代に一生分はいた。涙は一年間で数年分を使い切った。じゃあこれはどれくらいで終わりが見えるんだろう。あの人なら答えを知っている気がした。 チョコレートパフェをつついているときだけは自分を忘れられる。ベタベタに甘いしマーブル…
何かに絶望したら書ける。 締め切りに次ぐ締め切り、デッドライン、死線、を限界まで引き延ばしたうえで書けなかったにもかかわらず、散々言い訳をしたうえで最後の最後にそんなことをこぼした。 「甘えてんじゃねぇよ」 「甘えてないよ!本当なんだってば」…